発達障害の子が「やめてと言ってもやめない」のはなぜ?効果的な2つの声掛け

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発達障害の子に「やめて!」と言ってもやめてくれない。

お友達にちょっかいを出して、「やめて!」と言われているにもかかわらず、やめる事ができない。

と悩んでいる親御さん、少なくないのではないでしょうか。

実は子育て中の筆者も現在進行形でこのことで悩んでいます。

(筆者自身がADHDの診断を受けており、娘もグレーゾーンです。

↓筆者の特性については、くわしくは以下の記事で!)

【当事者が語る】ADHDが大人になった時の特徴・何に困る? 

当人である娘。家の中でも同じような傾向にあるのですが、トラブルになるのはやはり外でのこと。

「○○ちゃん(娘)が辞めてって言っているのにやめてくれない。」と娘のお友達に何度言わせてしまったことか。

現在進行形で悩んではいるのですが、カウンセリングの先生に教わった有効的な「伝え方」を今はコツコツと伝えていっています。

今回は、その声かけ方法や実際どんなトラブルにあったのかをご紹介します!

発達障害の子はなぜ、やめてと言ってもやめないの?

そもそも、発達障害の子どもがやめてと言ってもやめない理由は、その障害の特性によるものです。

まず、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ子は、相手の気持ちや注意に気づかない、感覚過敏がある、強いこだわりがあるなどの特性があります。

彼らは言葉や他の方法を使って相手の考えを読み取ったり、自分の考えを伝えたりすることが難しく、「本当に相手が嫌がっているんだ」と気が付いていない場合があります。

一方、注意欠如多動性障害(ADHD)を持つ子どもは、じっとしているのが苦手で気が散りやすく、衝動的に行動してしまうことがあります。

また、自分の衝動性をコントロールするのも苦手で、「楽しい」気持ちを優先してしまい、やめなければならないことをすぐにやめることができないということが考えられます。

両者とも、親の対応や叱り方が原因ではなく、特性によるものであり、適切なサポートや理解が必要です。

筆者の娘は、スクールカウンセリングの先生に相談したところ、ADHDの特性が強く、その中で「やめてと言われてもやめられない」のは、今楽しい!ということがやめられないので、衝動性がコントロールできていないせいではないかと言われました。

「やめてと言われてもやめない」とどんなトラブルになる?

娘はどちらかというと、相手の気持ちを普通以上に考えることができる子なんです。

たとえば、相手の子や大人からもらったものがたとえ同じものを持っている物だったり、あまり好みではないものだったとしても、すっごく喜ぶんです。相手が悲しまないように。

あと、相手に悲しむだろうなということは自分でよく考えて絶対言わない。「○○ちゃんはすごく嬉しくなる言葉を惜しみなく伝えてくれるよね」と言ってもらえることも多い。

それでも、娘は色んな「やめてと言われてもやめない」問題で何度もトラブルになりました。「衝動がコントロールできず、楽しいことがやめられない」から。

家の中で「○○~それはやめなさいよ」と声かけてすぐにやめられないことももちろんあったのですが、それ以上に、こういう傾向にあるなと思ったのが、お友達といるときに楽しくて楽しくて、軽い興奮状態になっているとき

そして相手に笑ってほしい、場を盛り上げたいと思っているとき

トラブル①「やめて」という言葉よりも、笑ってもらったことに気持ちが向かって続けてしまう。

いちばん最初にこのことに気づき、本人に注意したのが、お友達に対してコミュニケーションのつもりでこちょこちょ~と身体をくすぐるんです。

すると、相手は楽しいからというよりは、くすぐったいから笑いますよね。

「やめて~」と言われている言葉よりも、「笑ってる!楽しいんだ、相手が楽しいから私も楽しい!もっともっと!」という解釈をしてしまって、やめない。

結果、お友達が筆者のところにきて「○○ちゃん(娘)がやめて!ていってるのにずっとこちょこちょしてやめてくれない!」と。

こちょこちょだけではなく、色んな「やめて」「もうやめよう」に気が付くことができず、下校中などにお友達を本気で怒らせて帰ってくる、あとから謝りにいくようなことが数回ありました。

娘は相手が本気で怒って帰ってしまう事態までになってやっと、「嫌がっていたのに続けて怒らせてしまったんだ。やってしまった…」と気が付く様子です。

トラブル②集団だともっと「やめて」に気が付かない。

普段から楽しくなると相手が本当に「やめて」と思っていることに気が付けない娘。それをより感じるのが、3人以上の集団で過ごしている時。

小学生の娘が2年生の頃、大トラブルになったエピソードがあります。

ある日、娘は友達と一緒に休み時間に教室で遊んでいたときのこと。

楽しい雰囲気の中、娘と友達たちが机の周りで何かを作っていた時に、突然誰かが机の下から手を伸ばしてきたというフェイクのイタズラをして遊んでいたようです。

最初はみんな「誰かが来た!」と興奮しながら騒いでいましたが、その中で一人の子が怖がっていたのです。

娘を含めみんな最初はそのノリで楽しそうに遊んでいたようで、そのイタズラが気に入った娘は、その日から頻繁にそれをやっていたようです。

その子は怖くて、「それやめて」と言っていたので、他の友達は途中で気が付いたのに、娘は気が付かない。

最初にみんな盛り上がってやっていたから、もちろんみんなも楽しいと思って続けてる。これは本当によく目にするのですが、相手が楽しんで「やめてよ~」と言っていると思い込んでいるんです。くすぐる時と同じ状況ですね。

最終的に、「○○ちゃんが辞めてと言っているのにやめてくれない。」ということになり、その子の親御さん含め、他の子の親御さん、子どももみんなが集まって「なぜ○○ちゃん(娘)はこんなことをするのか」という話し合いをするという事態になりました。

娘のなにがいけなかったのか。子どもなので間違ったことをするのは仕方がない。でも…

  • 相手の子に嫌な思いをしていて、「やめて」と言われたのに気が付けていなかったこと。
  • 他のみんなが「あれ、本気で嫌がってるぞ」とやめたタイミングでもまだ気が付けなかったこと。

ちょうど、娘の人とのコミュニケーションの取り方を見て色々と感じていた時期だったので、この2つの事実にものすごく落ち込みました。「どうやって説明してあげればいいの…?」と。

そんな状況でも楽しいと思って一人で盛り上がっている娘を想像すると余計に辛かったです。

(この出来事については、娘がよくなかったことに違いないのですが、最初はみんなでやっていたことでも、途中で気が付けなかった娘だけが悪意をもった意地悪をしている加害者のようになったこと。娘の言い分が全然通らない状況での話し合いのされかた。娘の気持ちをよく確認する前に話し合いが行われたので伝えたいことが伝えらえれなかったことなど、筆者自身も色々と思うところがあり、事実に気が付いた時の泣きっぷりを見て娘のトラウマになるんじゃないかと思ったのですが、それ以上に筆者がいまだに消化できずにいます。でも娘が加害者と言う立場でもあり、これ以上はあまりこの記事に関係ないのでここまでで割愛します。いつか書きたいです)

空気が読めないことの罪深さを感じた

1つ1つのトラブルが起きるたびに、筆者が謝罪、説明をするとありがたいことにお相手からは「そういう気持ちだったんだね。○○ちゃんは悪気はなくてお互いが楽しいと思ってやっていたんだね」と言葉をかけてもらえるのですが、その「嫌がっていることに気が付けない」という現状にどうしても落ち込んでしまいます。

本人が後ろめたくて悪気があってやったことは、本人も「やってはいけないことなんだ」と理解しやすいと思うのですが、なにせ悪気がない。

そして「やめてと言われてもやめられない」の場面の種類が多いこと…。

これって「相手の顔色を伺う」「その場の空気を読み取る」ことで簡単に実行できるのに、それができない。

普段私たちが本能レベルでやっているようなことを、言葉でどう説明したらいいのか悩みました。

スクールカウンセリングでアドバイスいただいたこと

このことがきっかけで、娘の交友関係を親だけで考えることができない….と感じスクールカウンセリングの先生に相談にいきました。

そこで、言っていただいたのは「空気が読めないんじゃなくて、感情のコントロールができていないのではないかと思います。楽しい、今やりたいと思っているのをなかなかすぐにやめることができない」とのこと。

そこで、どんな声掛けをして説明してあげればよいのか伺うと、「相手の顔色を伺う、その場の空気を読むということは言葉で説明してあげてすぐに理解するのはまだ難しい。今は、「「やめて」とか「もう終わり」とか、止める言葉が出たら相手が笑っていたとしても、すぐにやめよう」と伝えてあげるとわかりやすいです」と。

それから、「相手の顔色を判断できるようになるためには、そういった場面を見た時に、「ストップ!相手の顔見て、嫌がっているよ」とその場で説明して覚えさせてあげるのも効果的」ということも教えていただきました。

娘に効果的だったのは「やめてと言われたらやめよう」の声掛け

嫌がっている場面を見た時に「相手の顔を見て!」と言ってしまうと、その子にもよると思うのですが、プライドの高い娘には逆効果のように思えました。

人前でダメなところを指摘されると、それこそ感情がコントロールできない状態になることが多いです。たらればになりますが、もう少し幼いころに意識してやってあげれば、効果的だったのかもしれません。

ですが、カウンセリングの先生から教わった「「やめて」という言葉が出たらやめよう。」という伝え方は、娘には効果的でした。

伝え方としては、「どんなに相手が笑っていてあなたが楽しんでいると思っても、「やめて」とか「もう終わり」っていう言葉が出た時点で、すでに嫌だなと思っているんだよ。「ちょっとやだな」と思っても、すぐにやめてくれたら相手も切り替えることができる。でも「やめて」と言ってもやめてくれなかったら、すごくストレスだよ。どんどん嫌になるよ。「やめて」という言葉が聞こえたらすぐにやめるんだよ。」と伝えています。

これ…成長もあるとは思うのですが外での「やめて」と言ったのにやめてくれない!と言うトラベルがかな~り減りました。

ただし完全にではありません💦つい先日もこのことで下校中に友達を怒らせて帰ってきてしまいました。(お友達に申し訳ない…)

でも、娘が筆者に出来事を説明している時に自ら「やめてと言ったらやめないといけなかったのに…」と言っていて、「やめて」という言葉が出たらやめるべきだということが少しずつ意識が出来てきているのだなと感じました。

気を長くして見守りつつ、伝えていくことは大事だなと思いました。

余談ですが、楽しいに飛びついて感情がコントロールできない娘、小学1年生の頃は、毎日楽しいことに気がいって寄り道をして帰ってくる。出会った人にマシンガントークをして離さない、しまいにはついていく….など本当に色々なことがあって、悩みました。

彼女にとっては、小学校になり下校時間は、はじめて大人の目が離れたときなので、それはそれはもう刺激的で楽しかったんでしょう。

 

誘拐と熱中症が怖くて「寄り道はせずにまっすぐ帰ってくるんだよ」を伝え続け、本人が理解して実行できるまでに1年半くらいかかりました。なが…

めげずに伝え続けることは大事ですね…。

 

今、お子さんが同じようなことで悩んでいらっしゃる親御さんの少しでも参考になればと思い、この出来事を記事にしてみました。

筆者も現在進行形で悩んでいるので、「こうすればよかったよ~」などよい案があれば、ぜひコメントで教えていただけたら嬉しいです☺

今後、この他にも、発達障害のある筆者自身の幼少期の困りごとや、グレーゾーンの娘の行動、多弁、人との距離感などなど、年齢に応じて悩んだこと、悩んでいることなど、それが起きてしまう理由や対応などを考える記事を書いていけたらな~と思っています。

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